自分の親を預けたいと思える、こだわりのデイサービスを作る

ふじみ野市にある地域密着型デイサービス団体事務所周辺風景の写真

ふじみ野市にある地域密着型デイサービスの団体。私たちは「自分の親を預けたいと思えるデイサービス」を作ることに、徹底してこだわっています。

「農と食」を活かしたデイサービス

団体が入る平屋の建物の周りには畑が広がっています。農家の風景そのままを活かし、ほっとできる、おだやかな空間ができています。自慢のランチは、毎朝畑から収穫した野菜で作ります。機能訓練として、農作業から始まって、その収穫物の調理に関わる色々な作業をみんなでやります。外に出て土に触れ、一緒に作業して、みんな生き生きします。それがおいしくて健康的な食事にもつながります。

機能訓練としての農作業風景の写真

きっかけは、震災復興支援の地域活動

2011年の東日本大震災で被災して、埼玉県ふじみ野市の市営住宅へ避難されていた方々に、地域の市民で支援活動を始めたことがきっかけでした。何が必要なのかを聞くため、交流会を継続的に開き活動を広げていきました。その中で、「息が詰まりそう…畑がしたい」という想いを聞き、市内の農地を借りました。共に土に触れ、作物を育て、収穫して、料理して、わいわいと食べます。参加している人みんなが笑顔になりました。今の私たちは、この経験に強い影響を受けています。

地域を支える活動の拠点を作ろう

活動が広がり、持続的に地域活動を続けていくための拠点として、事業所を立ち上げようと、仲間で話し合いました。「避難して来られた方々を支援したい」の声から、デイサービスを事業の核に据えることが決まりました。この話し合いの中で「自分の親を預けたいと思えるデイサービス」という方向性もみんなで決めました。当初普通の一軒家で始めたのですが、畑が前にあったらいいなという思いが強くなり、不動産屋めぐりをはじめました。

地域密着型デイサービス団体事務所の一軒家、軒先の干し柿の写真

地域を支え、地域から支えられる

物件探しに苦戦する中、知り合いから声がかかって現在の家と出会いました。家賃も安いし周辺の環境もばっちりです。しかし、デーサービスに供与するには改築工事費用約1000万と言われてしまいます。

仲間たちで覚悟を決め、地域の方や利用者様家族などに声かけて、出資金・協力債を1000万を達成することができました。このことは私たちにも驚きでした。地域の役に立ち、その価値を感じてもらえる仕事をつくりたい。そしてそれを呼び掛けると、地域は応えてくれることを知りました。

持続可能な地域をつくる

近年の介護事業の経営は厳しさが増していて、私たちの活動は地域の様々な人たちの支えなしにはまったく成り立ちません。地域の想いを拾い、手を貸してくれる方々につなげて、みんなで作ってきたからこそ、今の私たちの団体は成り立っています。

地域密着型デイサービス団体事務所の外観写真

私たちの活動は、東日本大震災をきっかけに始まりました。私たちの団体では、地域に眠る自然エネルギーを活用し、エネルギーの地産地消を実現したいと考え、事務所が入る平屋の屋根にソーラーパネルを設置しました。食も、エネルギーも、ケアも、地域で循環して支えあう。そんな形を目指して日々運営しています。