地域に必要な仕事を、気づいた人達がつくる

「地域で困っている人がいる」それを解決しよう

東京都武蔵野市に地域に必要な助け合いの仕組みを自ら作り、立ち上げた事業所があります。武蔵野市では自治体がリードする形で市民の福祉のニーズに応えています。しかし、それでも様々な福祉の制度や市の支援だけではカバーできないことに「困っている」人達がいます。そこで、みんなで学びながら話し合い「地域で困っている人達」の「困った」を解決する事業を立ち上げることにしました。

事業を成立させるのは困難!?

「自治体が行う福祉制度ではサービスが受けられず困っている人達がいるなら、その人達を助けよう」と2000年に生活協同組合の組合員が中心となって事業を設立しました。設立当初は、「自治体が行う福祉サービス以外を利用する人は少ない、だから事業を成立させるのは困難だ」という意見もありました。しかし、実際に事業を始めてみると、犬の散歩や旅行中の植木の水やりなど、小さな依頼が少しずつ入り始めました。障害者支援センターでボランティアを行ったことで、障害がある人のディケアサービスの送迎添乗の仕事も依頼されるようになりました。

自治体からの委託事業を受託したことで事業が広がり始めた

設立から3年たちNPO法人格を取得しました。法人格を得たことで自治体からひとり親家庭ホームヘルプサービス事業や産前産後支援ヘルプ事業といった委託事業を受託できました。2008年には介護保険事業にも参入しました。「乳幼児から高齢者、障がいの有無に関わらず自分らしく地域で暮らす」ことのサポートが出来る様になりました。

事業もはたらく仲間も増えてきた

2012年小規模のグループ保育室の開設を自治体から依頼されました。私たちのミッションの「地域の困ったの解決」に共感する地域の人達が組合員になって就労していることが、口コミで広がり、その結果、就労している人達の平均年齢も低くなってきました。若い人達の新しい風が入ったことで事業や経営も安定していきました。様々な人が関わることで地域の人達の声やニーズを知ることができます。「地域の困った」を知ること、これが次の事業展開のヒントになる「私たちの財産」になっています。

地域の「困りごと」の解決に向けて労働者協同組合法を学ぶ

労働者協同組合法の施行によって「地域に必要な仕事を、気づいた人がつくる」という働き方を法人事業として「誰でも」「どこでも」簡便に行えるようになります。私たちは労働者協同組合法を改めて学習し、自分たちの働き方にあった法人格だと考えています。引き続き、みんなで労働者協同組合について学び、自分たちの働き方を追求しながら、地域の「困った」の解決に取り組んでいきたいと思います。