任意団体やNPO法人において、これまで構成員から出資相当の金銭を預かり入れてきましたが、労働者協同組合の新規設立又は組織変更にあたって、出資の第1回目の払込みは改めて金銭の払い込みが必要でしょうか。

任意団体やNPO法人において、これまで構成員から出資相当の金銭を預かり入れてきましたが、労働者協同組合の新規設立又は組織変更にあたって、出資の第1回目の払込みは改めて金銭の払い込みが必要でしょうか。

労働者協同組合を新規設立する場合又はNPO法人から労働者協同組合へ組織変更する場合、労働者協同組合へ出資の第1回目の払込みが必要です。
なお、企業組合から労働者協同組合へ組織変更する場合は、組織変更計画の定めるところにより、組織変更後組合の出資の割当を受けることとなるため、出資の第1回目の払込みは不要です。

出資の第1回目の払込みにあたっては、金銭を払い込む方法と現物出資を行う方法があります。前者が一般的な方法ですが、これまで労働者協同組合の基本原理に沿った活動を行っていた任意団体とNPO法人の場合には、その構成員が出資相当の金銭等を貸付等していることがあります。
この点、任意団体の構成員が主体となって組合を設立する場面において、組合員になろうとする任意団体の構成員が任意団体に対して有している債権も現物出資の目的となる財産として認められます。
また、NPO法人から労働者協同組合へ組織変更する場面において、NPO法人の社員がNPO法人に対して有している債権も現物出資の目的となる財産として認められます。
このように現物出資を行う場合には、定款に現物出資に関する事項を記載しておく必要があります。
また、新規設立又は組織変更の登記申請には、現物出資したことを証する書類を添付する必要があるため、現物出資をする構成員毎に、任意団体又はNPO法人に対して有している債権を労働者協同組合へ現物出資したことを証する書類(財産の受領証、引継書等)を作成するようしてください。
なお、他の形態の法人を解散して労働者協同組合を新設する場合には、債権債務関係が解消しているため、この取扱は任意団体とNPO法人にのみ認められる方法であることに留意してください。

法第25条法附則第17条法附則第8条法第29条第2項